引き続き、電験三種の過去問を解いていきたいと思います。
今日は電力のたるみの問題です。
なお、問題文については、一般財団法人電気技術者試験センターの以下のサイトで公開されている文章を引用します。
問題
【問題】平成29年度第三種電気主任技術者試験 電力科目 問8
問8 支持点間が 180 m,たるみが 3.0 mの架空電線路がある。
いま架空電線路の支持点間を 200 mにしたとき,たるみを 4.0 mにしたい。電線の最低点における水平張力をもとの何 [%]にすればよいか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし,支持点間の高低差はなく,電線の単位長当たりの荷重は変わらないものとし,その他の条件は無視するものとする。(1)83.3 (2)92.6 (3)108.0 (4)120.0 (5)148.1
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https://www.shiken.or.jp/answer/index_list.php?exam_type=30
検討
さて、どうでしょうか?
間隔が長ければ長いほどたるむよね。長さの関係を見ると、最初のほうは間隔がたるみの60倍で、後のほうが50倍になってるから、後のほうがたるんでそうだよね。比は6:5だから……(1)?
一生懸命考えてくれたようですが、残念ながら間隔とたるみは比例関係では無いのです。
ここはたるみの公式を覚えてしまいましょう。
径間を S [m],水平張力をT [N],電線1mあたりの荷重をW [N/m] とすると,電線のたるみ D [m]は以下のようになります。
$$D= \frac {WS^{2}}{8T} $$
この式が示す通り、たるみは径間の2乗に比例します。
なお、この問題では使いませんが、電線の実長L [m]とたるみとの関係式も一緒に覚えてしまいましょう。
$$L=S+ \frac {8D^{2}}{3S} $$
こちらの式はたるみが2乗になって、8が分子にきていますね。
解答
最初の水平張力を\(T_{1} \)、後の水平張力を\(T_{2} \)とすると、電線のたるみの式により、この問題の状況は以下のようになります。
$$3.0= \frac {W \times 180^{2}}{8T_{1}} $$
$$4.0= \frac {W \times 200^{2}}{8T_{2}} $$
これらの式からWを消去すると、以下のようになります。
$$T_{2}= \frac {25}{27} T_{1}= 0.926 T_{1}$$
- 解答:2
今日は以上となります。ここまでお読み下さりありがとうございました。
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