今日は、育児休業等終了時改定の話です。
産前産後休業を終了した際の改定も同じですので一緒に覚えましょう。
そもそも育児休業と産前産後休業ってどう違うんだっけ?
あー、それはまた話し出すと長くなってしまうんで簡潔にまとめると
産前産後休業は、労働基準法に定められています。出産予定6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から産後8週間まで働かせてはいけない規定です。
こちらは女性にしかあり得ませんね。
育児休業は育児介護休業法に規定されています。もっとも、この法律では1歳まで(申し出によっては1歳6箇月から2歳まで)の育児休業の規定がありますが、健康保険法等の育児休業等終了時改定の規定では3歳未満の子となっています。
法律以上に休みを取得できる会社を考慮しているんでしょう。
なお、育児休業は男女問わず取得できます。
記事の内容
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育児休業等終了時改定の計算方法を復習する
想定する読者
- 1週間前の自分自身(社労士受験生)
- 私と同じような社労士受験生
例題
問題: 月給制である給与を毎月末日に締め切り、翌月10日に支払っている場合、4月20日に育児休業から職場復帰した被保険者の育児休業等終了時改定は、何月から何月までに支払った給与の平均によって判断するでしょう?
えーと、復帰するのは4月だから、4月分を含んでる5月の給与からじゃないかな。3箇月分だから5~7月で。あ、4月は最大10日しか働いてないから5月を除くのかな?
正解は「4月10日に支払った給与~6月10日に支払った給与」です。(ただし、4月10日・5月10日の報酬支払の基礎となった日数が17日未満の場合は6月のみとなります)
えっ! 4月10日の給与って、完全に育児休業期間の給与じゃん、そんなんでいいんだっけ? 厚生年金とか減っちゃわない?
厚生年金のほうには「3歳に満たない子を養育する被保険者等の標準報酬月額の特例」という救済措置がありますね。
実施期間に申し出をすれば、従前標準報酬月額を下回った場合に従前標準報酬月額でOKにすることも可能です。
それは置いておいて、算出方法の基本としては以下の通りになります。
算出方法
育児休業等を終了した被保険者が、育児休業等終了日において当該育児休業等に係る3歳に満たない子を養育する場合において、その使用される事業所の事業主を経由して「保険者等/実施機関」に申出をしたときは、育児休業等終了日の翌日が属する月以後3月間に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を改定する。
健康保険法では保険者等、厚生年金保険法では実施機関になります。
なお、3箇月と言いつつも、報酬支払の基礎となった日数が「17日未満」の月は除きます。
先ほどの問題文には報酬支払の基礎となった日数が書かれていませんので、原則の算出方法で考えると、
- 育児休業等終了日の翌日 ⇒ 4月20日
ですので、
- 4月以降の3箇月で支払った給与 ⇒ 4月10日に支払った給与~6月10日に支払った給与
となります。いつ締め切りの給与かは無関係になります。
4月20日に復帰したのに4月10日の給与が対象となっています。
ちょっと不自然ではありますが、「職場復帰した月から」という感覚を押さえましょう
さて、この改定が適用されて標準報酬月額が変わるのはいつからでしょう。これは頻出ですね。
はい、育児休業等終了日の翌日から2月を経過した日の属する月の翌月からでーす! 頑張って暗記したよー!
ということで、この事例の場合
- 育児休業等終了日の翌日から2月を経過した日 ⇒ 6月20日
ですので、改定が適用されるのは6月の翌月で7月になります。
「4・5・6月に払った給与の平均をもとに、7月から改定される」という流れは確かに自然な感じですね。随時改定とも似ています。
まとめ
育児休業等終了時改定の計算対象は、育児休業等終了日の翌日が属する月以後3月間に受けた報酬の平均です。
報酬支払の基礎となった日数が少なければその月は対象外になりますが、いつ締め切りの給与かという話は計算には関係ないです。
今日は以上となります。ここまでお読み下さいましてありがとうございました。
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