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社労士試験選択式の労働一般が1点で救済の可能性はあるか?ーー計算してみたーー

社労士試験

一段落したつもりでしたが、引き続き社労士試験の記事です。

意外と諦めが悪いのね

いや、そういうわけでもないんですが、前の記事に珍しくアクセスが増えているので、次のジャンルの記事に切り替えるタイミングが掴めないでいます。

まだブログ初心者なので戸惑ってますが、こういったブログの動きにも早く慣れたいものです。

さて、私は先日の社労士試験で不合格になったと決めつけています

その理由は「労一」で1点だから

ですが、1点救済の可能性は本当に無いのでしょうか?

労一で私と同じく1点を取って、救済の可能性が無いのか悩んでいる人も意外と多いかもしれません。

今日は統計の計算を使って、そのあたりを探ってみましょう。

統計の計算…… そういうのはオリキャラさんが登場してからにしたほうがいいよぉー

そうね。社労士試験勉強の時みたいに私たちに出題されても嫌よね。

いや、救済があり得るかどうかは、今が一番気になる時期ですからね。

まあでも、理系科目での例題の出題はオリジナルキャラにすることにしましょう。

なお、この記事では、次の仮定を使います。

  • 受験生全員が労一の問題について知識がなかったため、すべての回答をランダムに選んだものとする

実際は、答えを知っている問題があった人もそれなりにいるでしょうし、「中高年齢者等」の選択肢で55歳以上を選ぶ人などもそうそういないでしょうから、計算結果よりも実際の可能性は低いと思って下さい。

(10/30追記:以下の計算は「原則」に則った場合に救済が行われるかどうかを考え、「救済が行われないだろう」という結論になっていますが、この「原則」は絶対的なものではなく、おそらく主催者側の判断により結論としては引き下げが行われました)

社労士試験の救済ルール

まず、社労士試験の合格基準点のルールは以下の通りです。

各科目の合格基準点以上の受験者の占める割合が5割に満たない場合は、合格基準点を引き下げ補正する。

ただし、次の場合は、原則として引き下げを行わないこととする。

ⅰ) 引き下げ補正した合格基準点以上の受験者の占める割合が7割以上の場合

ⅱ) 引き下げ補正した合格基準点が、選択式で0点、択一式で2点以下となる場合

つまり、2点以上の割合が5割未満で、1点以上の割合が7割未満の場合に引き下げが行われます。

1点以上が7割未満ということは、つまり0点が3割以上いる場合ですね。

全員が適当にマークしたのなら、2点以上の人が5割を割る状況もあってもおかしくはなさそうですが、0点の人が3割以上という状況はあり得るのでしょうか。

4択なので多くの人が5題中1題は当たりそうですよね。

ということで、以下では「0点の人が3割以上いることがあり得るか」どうかに焦点を絞ってみます。

ある人が0点になる確率

今回の労一は5問すべて4択です。
これを、ある人がランダムに選んだ場合、0点になる可能性はどれくらいでしょう。

まず、1問目を間違える確率は75%ですね。

1問目から2問目以降をすべて間違える可能性は、これに75%をどんどん掛けていけばわかります。
(実際の計算は小数にして0.75をどんどんかけます)

  • 1問目と2問目を両方間違える確率は約56%。
  • 1問目から3問目を全部間違える確率は約42%。
  • 1問目から4問目を全部間違える確率は約32%。
  • そして、1問目から5問目を全部間違える確率は約24%です。

ある人が全問不正解になる可能性は約24%です。

100人いたら、24人くらいは全問不正解になります。

まあ、可能性が24%と聞くと、たまたま運が悪い人が多くて全体で見たら30%を超えた、など、あり得そうに見えますよね。

ところが、受験生が数万人もいると、そうはいかないのです。

次は統計計算の話が出てきます。

興味ない人は計算部分は読み飛ばして結論だけ見て下さい。

3万人のうち3割以上が0点になる可能性

2021年の受験者数は現時点でわかっていませんが、2020年試験の受験者数は34,845人でした。

今年は多少減った可能性が高いですので、仮に今年の受験者数を3万人としましょう。

3万人の3割というと、3万×0.3で、9000人になります。

9000人以上が0点になれば良いわけです。

0点になる可能性は先ほどみた通り24%でしたね。

確率通りにいけば、30000人のうち24%、つまり30000×0.24=7200人が0点となります。

ただ、実際はそうぴったりになることはなくて、大抵の場合は7200人から多少ずれますよね。

この「ずれ」が大きくなって、0点が9000人を超える可能性がどれくらいあるかを計算してみます。

ここで登場するのが「平均」と「分散」と「標準偏差」です。

平均は、先ほど計算した通り、30000×0.24=7200人です。

同じような試験が何回かあった場合に、0点になった人数の平均を計算すると7200人くらいになります。

分散は、30000×0.24×(1-0.24)の式で計算できて、5472になります。

標準偏差は分散の平方根。いわゆるルートです。この場合はルート5472で、約74です。

標準偏差というのは、試験結果の偏差値を出すときによく見る値ですね。

さて、この「平均」と「標準偏差」を使えば、9000人を超える確率が計算できます。
多くの統計計算で行われるように、ここでは「正規分布に従う」ものとします(そうしないと計算が複雑すぎるので)

正規分布に従うのであれば、「平均」と「標準偏差」を使い、標準正規分布表などから計算できます。

  • 計算すると、0点の人数が、7200人 を超える可能性は50%です。
  • 7200+74人 つまり7274人 を超える可能性は約16%です。
  • 7200+74×2人 つまり7348人 を超える可能性は約2.3%です。
  • 7200+74×3人 つまり7422人 を超える可能性は約0.2%です。
  • 7200+74×4人 つまり7496人 を超える可能性は約0.003%です。

……えーと、もう止めていいでしょうか。

急にやる気なくなった?

いや、0点が9000人を超える確率がとんでもなく低いことがわかったらもういいんじゃないでしょうか。

7500人を超える可能性ですら0.003%ですよ。

ちょっと人数を変えて計算してみたところ、総受験者数が30人程度であれば、0点の人が30%を超える可能性も十数%はあってそれなりに期待できますが、総受験者数が300人程度なら1%あるかないか、総受験者数3000人でもう計算放棄したくなる程度の少なさでした。

仮定が間違っている可能性はある

0点の人数が3割を超える可能性が0.000……%くらいだということはわかりました。

けれども、「正解を選ぶ可能性が4分の1」という仮定が間違っている可能性はあります。

たとえばAで「氷河期世代は50歳未満」とした人が圧倒的多数の場合や、Eでほとんどの人が「45歳以上」と引っかかったような場合です。

間違いの選択肢を選んでしまう可能性のほうがずっと高かった、という場合ですね。

その場合には、ぐっと可能性は高まるはずです。

1点救済に希望を繋ぎたい人は、このあたりの可能性に望みをかけましょう。

まとめ

今年の社労士労一で1点を取ってしまったという皆さん。

3万人の受験生がすべてランダムで選んだと仮定した場合、1点救済の可能性は0.00……% です
(途中で計算放棄しました)

ただ、問題が「間違いの選択肢が選ばれやすい問題」であれば話は違ってきます。

そこに望みをかけるか。今年はスパッと諦めるか。それは自分次第です。

諦めたらそこで試合終了だよ!

いや、その格言は、自力で何とか出来る時に使いましょう。


今回の場合「諦めず来年・再来年もチャレンジする」がその言葉に該当すると思います。

今日は以上となります。ここまでお読み下さいましてありがとうございました。

免責事項 この記事の内容は個人が勉強のために調査した内容を記載したものであり、正確性を保証するものではありません。当記事の内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
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