引き続き、電験三種の過去問を解いていきたいと思います。
今日は電力の質量欠損の問題です。
なお、問題文については、一般財団法人電気技術者試験センターの以下のサイトで公開されている文章を引用します。
問題
【問題】令和元年度第三種電気主任技術者試験 電力科目 問4
問4 1 g のウラン 235 が核分裂し, 0.09 % の質量欠損が生じたとき,これにより発生するエネルギーと同じだけの熱量を得るのに必要な石炭の質量の値 [kg] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし,石炭の発熱量は\(2.51 \times 10^{4} kJ/kg \) とし,光速は \(3.0 \times 10^{8} m/s \) とする。(1)16 (2)80 (3)160 (4)3200 (5)48000
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https://www.shiken.or.jp/answer/index_list.php?exam_type=30
検討
さて、どうでしょうか?
質量欠損ってことは、\(E=mc^{2}\)だよね! 減った質量を出して光速の2乗をかければエネルギーが出るでしょ? そこから石炭の発熱量割れば出そうだね。えーと、3227……ってことは、(4)?
はい、正解です。質量欠損の式さえ覚えていれば、解き方はまったくその通りなので、今回は特に何も言うことないですね。
質量の単位をキログラムにすることや、0.09 %を間違えて9/100にしてしまうなどのケアレスミスに注意すれば大丈夫です。
解答
質量欠損により発生するエネルギーを\(E\)とすると、以下の質量欠損の式から求められます。
$$E=mc^{2} $$
この問題での質量欠損は、1gの0.09%ですから、\(m=(1 \times 10^{-3}) \times (9 \times 10^{-4}) \) ですので、これと \(c=3.0 \times 10^{8} \)を使うと、
$$E=(1 \times 10^{-3} )\times (9 \times 10^{-4}) \times (3.0 \times 10^{8})^{2} = 8.1 \times 10^{10}[J] = 8.1 \times 10^{7}[kJ] $$
石炭の発熱量が\(2.51 \times 10^{4} kJ/kg \)なので、求める質量は以下のようになります。
$$ \frac {8.1 \times 10^{7}}{2.51 \times 10^{4}} = 3.227 \times 10^{3} [kg] $$
- 解答:4
今日は以上となります。ここまでお読み下さりありがとうございました。
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