PR

日雇特例被保険者の保険料納付要件の緩和【独学での合格を目指す社労士試験勉強ブログ】

社労士試験

今日は日雇特例被保険者の話です。

雇用保険だねー

いや、雇用保険のほうは「日雇労働被保険者」です。


日雇特例被保険者は、健康保険法のほうの話になります。

基本的ですが、私が1年目の頃はこういう部分で混乱していたこともあったので念のため。



記事の内容

この記事の内容

日雇特例被保険者の保険料納付要件について復習する。

想定する読者

  • 1週間前の自分自身(社労士受験生)
  • 私と同じような社労士受験生

例題

問題:日雇特例被保険者の被扶養者が出産した時には、出産の日の属する月の前4月間に通算して26日以上の保険料が納付されている場合、日雇特例被保険者に家族出産育児一時金が支給される。〇か×か?

家族なんとか金っていうのも、被扶養者じゃなくて被保険者に支給されるんだよね。日雇特例被保険者だと普通は2箇月に26日だけど、出産の場合は4箇月なんだよね。ってことは、〇!

正解は「×」です。

えー、家族出産育児一時金だと違うんだっけ?

家族出産育児一時金の支給には、出産の日の属する月の前2箇月に通算して26日以上、または、前6箇月に通算して78日以上の保険料が納付されている必要があります。

日雇特例被保険者の保険料納付要件の緩和

日雇特例被保険者の保険給付は、原則として、「月の前2箇月に通算して26日以上、または、前6箇月に通算して78日以上の保険料が納付されている」という要件があります。

雇用保険日雇労働求職者給付金の受給資格と似てますね。簡単に復習しましょう。

  • 雇用保険の普通給付 ⇒ 失業の日の属する月の前2箇月に印紙保険料が通算して26日以上納付されていること
  • 雇用保険の特例給付 ⇒ 継続する6箇月に印紙保険料が各月11日分以上、通算して78日以上納付されていること(他に普通給付や特例給付の支給を受けていない条件あり)

なので、ほぼ「普通給付」または「特例給付」の条件と同等な感じになっています。


ただ、雇用保険の特例給付のほうは「各月11日分」という縛りがあります。
なぜなんでしょうね。ちょっと考えてみましたがすぐには答えられないので流しておきます。

保険料納付要件の緩和

さて、日雇特例被保険者の保険給付の「前2箇月に通算して26日以上、または、前6箇月に通算して78日以上の保険料が納付されている」という要件ですが、出産育児一時金出産手当金のみ、「出産の日の属する月の前4箇月に通算して26日以上」と緩和されています。

「家族○○」ではなく、本人が出産するわけなので、出産2箇月前まで働いていることを求めるのは酷というもの。
緩和措置があるのはもっともです。

2箇月緩和されているということは、直前60日程度は働けない想定でしょうか。


他の制度では「多胎なら14週間、多胎でなければ6週間」というルールもあるので、多胎妊娠であればさらに2箇月緩和してもよさそうなものですが。

6箇月78日の要件は消えた?

さて、緩和されたのはいいですが「前6箇月に通算して78日以上」の条件が消えています。

出産前6箇月に78日働いても、出産育児一時金はもらえなくなってしまうのでしょうか?

仮に「6箇月で78日」働いたとするなら、最初の2箇月で53日以上働いていない限り、残り4箇月で26日の条件は満たします

「最初の2箇月で53日以上」があり得るのかを考えてみると、2箇月の各月に18日以上同一事業主の適用事業に雇用された場合は日雇労働者から除外されます。

まあ、同一事業主でなければあり得るのかもしれませんが……

  • 「最初の2箇月で53日以上(事業主複数。休みは週1のみ?)」⇒ 「次の4箇月で25日以下」 ⇒ 出産

これなら、6箇月78日働いて受給できないケースに該当しそうですが、日雇労働者でこういった極端な例は想定してないのでしょう。

日雇特例被保険者の保険料額計算での賞与額の上限

ちょっと話は逸れますが、日雇特例被保険者の保険料額で、特に賞与額の上限を忘れがちなので、ついでに思い出しておきましょう。

(日雇特例被保険者の保険料額)
法168条
 日雇特例被保険者に関する保険料額は、1日につき、次に掲げる額の合算額とする。
一 その者の標準賃金日額の等級に応じ、次に掲げる額の合算額を基準として政令で定めるところにより算定した額
  イ 標準賃金日額に平均保険料率(各都道府県単位保険料率に各支部被保険者の総報酬額の総額を乗じて得た額の総額を協会が管掌する健康保険の被保険者の総報酬額の総額で除して得た率をいう。以下同じ。)と介護保険料率とを合算した率(介護保険第2号被保険者である日雇特例被保険者以外の日雇特例被保険者については、平均保険料率)を乗じて得た額
  ロ イに掲げる額に100分の31を乗じて得た額
二 賞与額(その額に1,000円未満の端数がある場合には、これを切り捨てるものとし、その額が400,000円を超える場合には、400,000円とする。)に平均保険料率と介護保険料率とを合算した率(介護保険第2号被保険者である日雇特例被保険者以外の日雇特例被保険者については、平均保険料率)を乗じて得た額
2 第40条第3項の規定は前項第2号の政令の制定又は改正について、第48条の規定は日雇特例被保険者の賞与額に関する事項について、第125条第2項の規定は賞与の全部又は一部が通貨以外のもので支払われる場合におけるその価額の算定について準用する。

保険料額を計算する時の賞与額は40万円までです。

標準賞与額の年間573万円とか厚生年金の月150万円までというのは有名な話で、今さらここで語る必要もないでしょうが、日雇特例被保険者の賞与額の40万円は忘れている人も多いのではないでしょうか。

労災の算定基礎年額には、「年金給付基礎日額×365×20/100」か年間150万円かの上限がありましたね。この20につられて「20万円だったかな」などと混乱しないようにしましょう。

また、「平均保険料率」という耳慣れない言葉も登場しています。
ここで登場したということは頭の片隅にでも入れておいたほうが良さそうですね。

まとめ

日雇特例被保険者について、つい忘れがちな以下のことを思い出しておきましょう。

  • 出産育児一時金、出産手当金の保険料納付要件 ⇒ 「出産の日の属する月の前4箇月に通算して26日以上」
  • 保険料額の賞与額 ⇒ 40万円まで

今日は以上となります。ここまでお読み下さいましてありがとうございました。

免責事項 この記事の内容は個人が勉強のために調査した内容を記載したものであり、正確性を保証するものではありません。当記事の内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
タイトルとURLをコピーしました