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そして後日談へ――リコリス・リコイル(終)「13 Recoil of Lycoris」【アニメ感想】

アニメ感想

引き続き、アニメ「リコリス・リコイル」を見た感想です。
ついに最終回。果たして千束はどうなることか。

  • 「リコリス・リコイル」公式サイト

オリジナルTVアニメーション「リコリス・リコイル」公式サイト
オリジナルTVアニメーション「リコリス・リコイル」2022年7月放送開始!

なお、アニメ感想のページは、記事の性質上、ネタバレ的な要素を含みます

未視聴のかたはご注意下さい。

ストーリー

アニメの内容をここで書くと著作権法に抵触する可能性があるため、以下の公式サイトから引用します。

オリジナルTVアニメーション「リコリス・リコイル」公式サイト
オリジナルTVアニメーション「リコリス・リコイル」2022年7月放送開始!

延空木での事件も一件落着——と思われたその時、旧電波塔で倒したはずの真島が、再び千束の前に現れた。延空木に爆弾を仕掛けたという真島は、爆破を賭けて千束に一対一の勝負を挑む。千束自身のタイムリミットも迫るなか、最後の戦いが始まる——。

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
https://lycoris-recoil.com/story/?id=ep13

感想

最終回。
前半で戦いの決着、後半が後日談でした。

千束真島の最終対決は、なんというのか……
1対1の対決で、千束が必死に真島を倒しつつ最後はたきなに間一髪救われる、という、その場面だけ見ると熱くて盛り上がりはしました。
とはいえ、どちらも心の底から全力を尽くしていなかった感もあります。

千束も、真島をビルから落としてでも倒そうとするなら、そもそも真島と対峙して捕まえた時点で実弾を使っていれば、戦いがここまで長引くこともなかったでしょう。
まあ、真島ならたとえビルから落ちようと死ななそうという気持ちもあったかもしれませんが。

真島も「相手を倒せればなんでも良い」というわけでもなく、弱った相手を倒しても意味がないというこだわりがあるようです。
少年漫画ではよくある考え方ですが、テロリストである真島でもそういう考えになるものですかね。
以前に恐怖を味わった千束に借りを返したいのだから、その千束が弱体化しては興ざめ、ということでしょうか。
でもそれなら、ビル爆破が迫っているように見せかけて千束の気を散らせて勝つのは良いのか、とも思います。
まあ、タイムリミットを気にしつつも相打ち近くにまでもっていく千束はすごいですが……

制限時間が切れたら爆発するのかと思いきや花火。

千束もほっとしたことでしょうが……

さて、先週の時点では状況がわかりませんでしたが、真島の銃撃でサクラが重傷を負っていました。
メンバーの全員が生還できないとするなら危ないのはエリカだと思っていたので、まさか意表をついて命が危ないのはサクラ? とハラハラしました。
もっとも、たきなの訴えによりフキとたきなが役割分担した時点で、どうやら生還できそうな展開だと一安心。
フキの、たきなに千束を守るよう託した言葉に、千束を心配していた気持ちが垣間見れて良かったです。

まあでも、仮にもしここで撃たれたのがエリカだったら本気で危なかった気がします。
第1話からここまで通してみても、エリカは少なくともサクラよりも重要な役割を担っているように見えるのに、公式ページの登場人物にエリカの名前がありませんでしたので……

準主役級のレギュラー陣が死ぬことは無くても、無名のリコリスは普通に殺されることもあり得る世界観ですからね。
ともあれ、エリカも無事生還したようで一安心。
千束が生き残るのは予想できていましたし、この最終回を見るまである意味一番不安だったのがこのエリカだったので、良かったです。
後日談の描写にエリカが出ていなかったのはちょっと不満ですが……

千束の命の件については、結局のところ、ミカが決着をつけました。
シンジについては、まだ千束の葛藤などの問題が残っていると思っていたので、あっさり終わってやや拍子抜け感もあります。まあとはいえ、そうでもしないと千束生還の流れになりそうになかったですから、強引に片づけるのも致し方なしでしょうか。
クルミがミカに向かって言った、お前が一番恐ろしいという言葉もなんだかわかるような気がします。
まあ、ミカとシンジは特別な関係でしたから、いろいろな思いを振り切ったミカの涙は心を打つものがありますが。

シンジの本当の目的は何だったのでしょうか。
「千束に自分自身を殺させることで、才能を活かしつつ生き延びて欲しかった」
ということなら、まあ理屈は通りそうです。
結局ミカにその目的を阻まれた形ですね。
以前千束の心臓に危害を加えたのは、千束の危機感を煽ることで殺しの方向に向かわせる、ということでしょうか。

ですが、シンジが人工心臓を持っていることがわかったのはクルミがいたからこそであり、たきなが伝えなければ、千束がそれを知ることもなかったはずです。
千束は、自分自身の寿命が短いことは知っていても、別の人工心臓で生き延びるという発想は全く無かったでしょう。

シンジが真島と組んで千束をおびき寄せた、というたきなの説が本当かどうかわかりませんが、
シンジとしては、千束を心理的に追い詰め、自分を殺させるという目的さえ達成すればよく、千束に「殺し」を実行させることができればその後はミカが何とかしてくれる、ということでしょうか。

千束やシンジとアラン機関との関係も気になるところです。
千束は殺しの才能を見込まれて心臓移植され、その才能を活かさなければアラン機関に命を狙われる、と、これまで暗に示されていたように思うのですが……
また、シンジの心臓も何らかの理由があって埋め込まれたのかと思いますが、大丈夫なんでしょうか。
もしかしたら、描写されていないだけで、ミカとアラン機関とで何かやり取りがあった上での千束生還という結末になったのかもしれませんが。

そして後日談。

大沼都知事、再登場。
あの日の出来事を公式に演出だったことにするという、なかなか重要な役割を担ってました。
報道陣からの突っ込みに堂々と回答する姿は頼もしかったです。
いや、まあ私が一般人の立場で本当にこの放送を見ていたら報道陣の突っ込み通りで浪費だと感じた気もしますが、こういう裏があると知りながら見ると、大沼都知事の対応が実に頼もしく見えます。

とはいえ、リコリスの存在が世間に知れ渡った件については、表面上は取り繕いましたが、完全解決とはいかなかったようで。
まあ、真島が生きている件も含めて続編への伏線かと思うのですが、どうでしょうか。

喫茶リコリコでフキが、千束についてミカに言った「まだ生きているんですか?」との言葉から、戦いの後の状況が色々推察できます。
千束はあの日以来リコリコから姿を消して、その安否は知らされなかったのでしょう。
そして、千束の心臓の件を知っているフキたちは、千束は死んだものだと思っていたようです。

サクラの「良かったっすね先輩」のセリフが良かったです。
憎まれ口を叩いても、やはり千束がフキにとって気になる存在だと知っているようで。

千束は、なんと病室から逃げ出したんですね。
千束らしくてユーモラスな行動です。
もっとも、なぜ千束自身が生きているのかを考えると、思い当たることはあって暗い気持ちにもなったと思いますが……
ただ、それでも前向きに行動しているのが千束らしくて良いです。

ミカたきなに託した千束へのプレゼント。「ハッピーニューバースディ」の紙。

ちなみに千束の公式の誕生日は9月23日で、今回の放映日はその直後ですので、意識して合わせた感があります。

とはいえ、作中の時期は雪が降った直後ですので千束の誕生日に近いわけではなく、新しい心臓によって生まれ変わったことを意味する「ニューバースディ」のようです。

そして、海で二人がいちゃついた場面で締めたのがこの作品らしく良かったです。

メンバーが最後にハワイに行ったのもリコリコらしくて良かったのではと思います。
そういえば、千束の余命が縮まってリコリコが閉店した時に、千束も海外に行きたいと話していた伏線があった気がしましたが、この時はハワイではなくドイツでしたっけ。

前回までの緊迫感は何だったのかという感じですが、まあリコリコメンバーの本来の和気藹々とした様子が見られていい終わり方だったかと。
千束のはしゃぎようは凄いですが、まあ、少し前までは先が無いと思ってたわけですし、千束には笑顔が似合ってます。


最後に千束が水着になったのは、可愛い女の子が登場する作品にありがちな、いわゆる「水着回」を強引に最後に持ってきたのでしょうか。
まあ、千束らしくて良いと思います。

今日は以上となります。ここまでお読み下さいましてありがとうございました。

千束ちゃん、ハワイでリコリコを開店したのはいいけど、みんなが待っている押上の店には戻らなかったのかな?

描写されてませんが戻ったと思いますよ。千束さんにとって楽しい仲間がいる場所なので、戻らない理由は無いでしょう。

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