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統計検定準1級に合格するまでの勉強方法を振り返る

数学・理科・環境等

3月に受けた統計検定準1級

合格証書が届きました。

あらためておめでとう!

ということで、今日は統計検定準1級に向けた勉強の方法を振り返ってみます。

勉強方法

以下の過去問を使用しました。

過去問には、選択問題及び部分記述問題、論述問題とありますが、基本的には選択問題と部分記述問題を中心になるべく多く解けるようになろうと努めました。
論述問題は1度目を通したくらいです。勉強にはなるんですが自力で解くのは難しいです。

そして当然ながら、公式テキストである統計学実践ワークブックを中心に進めました。

こちらは、例の問題と例題の問題を中心になるべく多く解くようにしました。最終的には、全体の半分くらいはまだ自力では怪しいという感じでしょうか。

このワークブックについて、それぞれの章の内容をどれくらい理解したかを書いてみます。

  • 第1章 事象と確率

ベイズの定理の式は覚えようとは思ったものの、実際に問題が出題された場合は式ではなく感覚で解いている感があるので、正確に覚えられたかどうかは疑問です。

  • 第2章 確率分布と母関数

生存関数は指数分布の形で何とか覚えようと努めました。周辺確率関数あたりはちょっと覚えきれませんでした。

  • 第3章 分布の特性値

共分散は何か所かに出てくるので問題演習を通じて何とか覚えるよう努めました。偏相関係数あたりは覚えきれてないです。

  • 第4章 変数変換

出題可能性は低いだろうと油断していて失敗した分野。かといって深入りする必要があるかはわかりませんが、最低限「新たな確率変数Y=g(X)を使う場合にどうすれば良いか」は覚えました。

  • 第5章 離散型分布

与えられた確率母関数から期待値・分散を計算できるようにしました。確率母関数自体を出すのはそこそこ大変ですが、期待値・分散を出すのは微分が出来れば難しくは無いです。

  • 第6章 連続型分布と標本分布

与えられた積率(モーメント)母関数から期待値・分散を計算できるようにしました。積率母関数自体を出すには積分する必要がありますが、期待値・分散を出すなら微分で済むので難しくは無いです。
再生性は母関数の形を見ればわかるはず。無記憶性は幾何分布と指数分布だけで数は少ないですから覚えました。

  • 第7章 極限定理,漸近理論

正直あまりわかってないです。デルタ法は微分すればいいんだなーくらいで覚えましたが仮に出題されていたら解けたかどうか。

  • 第8章 統計的推定の基礎

十分統計量の定義を理解しようと努めましたがたぶん理解できてないです。

  • 第9章 区間推定

このあたりは過去問を解けるようにしました。分散の比あたりはあまりわかってないです。

  • 第10章 検定の基礎と検定法の導出

検出力の計算は頻出なので最初は理屈で解いていましたが、結局時間短縮のために解き方を覚えた感じです。

  • 第11章 正規分布に関する検定

ここも2級の範囲と重なる部分が多いですが、もし2標本の問題とかが出題されてたら危なかったと思います(出題されたかどうか覚えてないですが)

  • 第12章 一般の分布に関する検定法

母比率の差は何とか出来るかもしれないし出来ないかもしれないレベル。ポアソン分布の検定とかは覚えてないですが、適合度検定やイエーツの補正はたぶん大丈夫です。

  • 第13章 ノンパラメトリック法

ここはまあそんなに難しい問題は出ないだろうとある程度割り切りました。もし2回目も不合格だったら公式を覚えることにしたかもしれません。

  • 第14章 マルコフ連鎖

ここは考え方は理解していると思いますが、練習問題にやたらと計算時間がかかる傾向があり、制限時間がシビアなCBT試験にはそこまで時間がかかる計算は出ないだろうと割り切りました。

  • 第15章 確率過程の基礎

ここはちょっと自信ない章です。過去問も何となくそういうものなのかな的な解き方でした。

  • 第16章 重回帰分析

ここは「マンガで分かる統計学」シリーズで決定係数などの雰囲気を掴みました。
正則化は頻出だと思ったので回帰の名前とある程度の性質は覚えました。

  • 第17章 回帰診断法

ここは、出題可能性は低いだろうと油断していて失敗した分野。かといってどうすれば良いのかもよくわからず、とりあえず、このキーワードはここの章だ、くらいは意識するようにしました。

  • 第18章 質的回帰

ロジスティック回帰モデルについては、過去問レベルは解けるようにしておきました。
プロビットモデルも練習問題は何とか理解するように努めました。
あとはわかってないです。

  • 第19章 回帰分析その他

ここはハザード関数以外はほとんどわかってないです。ハザード関数ももし実際に出題されたら解けたかどうか自信なし。

  • 第20章 分散分析と実験計画法

QC検定2級で身に着けたつもりでしたが、実際に分散分析表を書こうとしたら手が止まるレベル。左の列の数字が埋まっていれば、自由度を含め残りの数字は埋められるんですけどね。
交互作用は試験日ギリギリに詰め込んでわかったかわからないかレベル。

  • 第21章 標本調査法

集落抽出法とかの抽出法はQCなどの検定で身につけていたのでだいたいわかります。ネイマン配分法もたぶん解けるんじゃないかなーレベル。

  • 第22章 主成分分析

「マンガで分かる統計学」シリーズで雰囲気はつかみました。寄与率はわかっていたつもりが記憶があいまいだったせいで初回に失敗した分野の一つ。

  • 第23章 判別分析

イメージは分かる気がするんですが数式があまりわかってないかな、という感じ。
混同行列あたりはヤマを張って暗記しましたが効果はちょっと……

  • 第24章 クラスター分析

ここは特に苦手にはしていませんでしたが、名前からどういう方法かイメージをつけづらい方法もあったので、こちらのサイトでイメージを掴みました。

クラスタリングをビジュアルで理解する!理論と実践を同時に学べる【クラスタリング可視化ツール】|青の統計学-Data Science School-
こんにちは、青の統計学です。 今回は、データ分析におけるクラスタリングを視覚的に学べる新ツール「クラスタリング可視化ツール」をご紹介します。 Xでも紹介しています。 機械学習のクラスタリングって、手法の違いがわかりにくい!、と思ったので「クラスタリング可視化ツール」をリリースしました。分類の過程や損失関数の減り具合がパ...
  • 第25章 因子分析・グラフィカルモデル

「マンガで分かる統計学」シリーズでイメージを掴みました。

  • 第26章 その他の多変量解析手法

数量化I類とかはヤマを張って暗記しましたが効果はちょっと……

  • 第27章 時系列解析

AR過程・MA過程は、かなり早い段階でこちらのサイトでイメージを掴みました。

ダービン・ワトソン検定も出題可能性は高いだろうなと思って覚えました。

  • 第28章 分割表

過去問で結構やったんですけどまだ使いこなせない式もあるかな、と。

  • 第29章 不完全データの統計処理

本文はあまりわかってないですが例題だけは何とか……

  • 第30章 モデル選択

AIC、BICは当然出題されるものと思ってしっかり準備したつもりでしたが、実際に出題されたかどうかはよく覚えてません。

  • 第31章 ベイズ法

ベータ分布とガンマ分布の期待値とモードは覚えました。それ以外は手薄です。

  • 第32章 シミュレーション

ここはよくわかってないです。一応ジャックナイフ法とブートストラップ法の名前とイメージくらいはどうにか。

それから、以下の「【完全網羅】統計検定準1級チートシート」は時々見ていました。

【完全網羅】統計検定準1級チートシート
統計検定準1級のCBTでは,統計学実践ワークブック(以下,ワークブック)の各章末の例題と同様の出題が多く,その内容を徹底的に学習することが合格のために有効です。準1級の合格を目指す人で,まだ購入していない人は(PBTの過去問集より優先して)

また、先ほどのワークブックでも触れましたが、「マンガでわかる統計学」シリーズは読んでいました。

ルイさんやみうさんが登場する3冊のシリーズと、ななみさんたちが登場するベイズ統計学の1冊です。
漫画の部分はかなり読みましたが、計算の部分は読み飛ばした部分も多いです。

それから、「明解演習 数理統計」の問題集も解きました。

1度不合格になった後に、前半の確率・統計の分野の問題演習を増やす必要があることを感じて、こちらの問題を解くことも行いました。
全部解こうとすると結構確率の部分が手厚すぎる気がしますが、証明などの論述問題はCBTには出ないと思われますので、出題される可能性のありそうな計算問題を中心に解いていきました。

それから、こちらの「データサイエンスLab.」さんのYouTubeも気になった用語があれば聞いたりもしました。

データサイエンスLab.
私は製造業で働くデータサイエンティストです。 このチャンネルでは、統計学の知識を配信しています。 「統計学の教科書や参考書を読んでもいまいち理解できないなぁ。。。」 そんな悩みをお持ちの方に、初心者でもわかりやすい解説でありながら、本質の理解が促される動画の制作をモットーとしております。 というのも、私自身が統計学の勉...

ブートストラップ法とか乱塊法とか、何となく聞いたことはあってもイメージが沸いていない言葉について理解するのに役立ちました。

こんな感じでしょうか。

難易度

今回の試験の難易度はどのくらいの印象でしたか?

個人的難易度表のどのあたりに配置するかの話ですね。

今回はかなり迷いました。「難関」と「やや難」のどちらにするか。

問題の印象を考えると、「やや難」の環境計量士(濃度関係)のほうが今回の統計検定準1級よりも難しい気もするのですが、濃度関係の実際の得点はあと数問以上くらい間違えられる程度の余裕はありました。
統計検定については、CBTの過去問があれば話は別なのでしょうけど、「実際に出題される問題によく似た過去問集」が無いのが対策を難しくしています。もちろんそのような準備のしやすさも考慮しての難易度比較ですけどね。

それなりに勉強して1度不合格になっている今回の統計検定準1級のほうが濃度関係より1段階難しいとしても問題は無さそうです。

「難関」での比較対象は宅建世界遺産検定1級ですが、実際の点数を見る限り今回の統計検定準1級のほうがギリギリ感があるんですよね。
世界遺産検定1級は、表に載っている試験の中では比較的初期の頃にとったため思い出補正がかかっているんですが、客観的に2級を取得してからの期間を比較すると、今回とあまり変わらないんです。
世界遺産検定1級は全問マークシートで、統計検定準1級は数値で答える問題もあったという形式の差を考えても、統計検定準1級を世界遺産検定1級よりも難しいとしても全く問題は無い気がします。

宅建は勉強量がかなり違うので、そこよりは下で良いかな、と。

ということで、難関の宅建と世界遺産検定1級の間で良いかなと思います。

今後

次はいよいよ1級だね!

いや、統計検定の1級は年1回、11月です。
11月は電験二種の2次試験の時期ですから、少なくとも今年は無理でしょう。
仮に受けるとしても、早くても来年以降です。

電験の一次試験に合格できなかった場合、二次試験は受けられませんので、その場合は統計検定1級を受けることが可能では?

いや、その場合、少なくとも8月までは一次試験の勉強をしているので、8月後半の試験での不合格が確定してから3ヶ月未満で統計検定1級の準備をする、ということになりますよね。

それに今年は10月に公害防止管理者試験も予定しています。


1級は準1級より難しいでしょうし、何より全部記述問題のはずですから、仮に電験一次試験に不合格だったとしても今年は厳しいと思います。

いずれにせよ、1級を目指すことは否定はしないのですね。……やはり、頂点を目指したいというウマ娘の本能には抗えないようですね。

いや、ウマ娘ネタを久しぶりに聞いた気がしますが、私はウマ娘では無いのでウマ娘の本能は関係ないです。

ともあれ、狙うなら半年以上かけてじっくりやっていきたいですし、秋の試験が一段落してからあらためてのほうが良いと思います。


まあ、いつ一段落するのかはわかりませんけどね。
果たしてどうなることか。

以上となります。ここまでお読み下さりありがとうございました。

免責事項 この記事の内容は個人が勉強のために調査した内容を記載したものであり、正確性を保証するものではありません。当記事の内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
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