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60を半分で割って20を足した数字

雑記

先日このような記事を見かけました。

「60を半分で割って20を足したら?」不正解続出の「算数ひっかけ問題」に反響「ビジネス現場で炎上する未来が…」「やーい引っかかった」(まいどなニュース) - Yahoo!ニュース
運転免許を取得する際の「学科試験問題」など、意図的に回答者の混乱を招く「ひっかけ問題」が度々話題になります。 先日、「60を半分で割って20を足した数字の答えは?」という問題文に対して、理系と文系

今日はその記事からの引用です。

「60を半分で割って20を足した数字の答えは?」

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/68aa8fd54e3aa7d6e4b342a1f9a3e304ce5da294

60を半分にすると30だから、それに20を足せばいいんだよね。50だよね?

いえ、記事になっているということは、引っ掛けの部分があるのでしょう。

引っ掛け?

ええ。「半分で割って」という日本語は「2分の1で割って」と解釈できそうです。
「2分の1で割る」は「2を掛ける」と同じ意味ですから、「60✕2+20」という計算になるので、解答は140でしょうか。

まあそういった感じで考えますよね。私も、50と答える人が多数派で、記事になっているくらいだから実は140が正解なのかなと思いました。

ですが、出題者側で用意していた正解は「22」だったそうです。

え? 22? なんで?

驚きますよね。22という解答は、私は全く思いつきませんでした。


この解答は、問題文の「半分」を「60の半分」と解釈すれば導くことができます。
「半分」という言葉だけでは何の半分かが明示されていませんので、直前にある「60」が省略されていると判断できるということです。
60を30で割って20を足したら確かに22になりますね。

なるほど……?

いや、まあ問題が不適切だと思います。

「60を半分で割って」という一節から、「60を60の半分で割る」という意図を見抜くことは出来なくても仕方ないですし、できなかったから恥ずかしいとも思えません。

逆に、60を半分に分ける意図で「半分で割って」と言っても、日本語として間違っているとも思えないです。

「半分に」と「半分で」

「60を半分で割って」と「60を半分に割って」は根本的に違う意味だ、という主張を見かけました。
「半分に割って」なら2等分する意味ですが、「半分で割って」は、省略されている「60」の半分で割る意味だという主張です。

私としては、「半分で割って」と「半分に割って」とで大して差があるとは思えません。まあ、言われてみれば若干「半分で」に違和感がなくもないですが……

例えば日常会話で「6000円を半分で割って」と言われたら、いわゆる割り勘のことで、3000円ずつにしたいんだなと解釈しますし、「半分に割って」という意味かどうかなど聞き返すまでもない話だと思います。
飲食後の割り勘の場合、「半分に割って」よりむしろ「半分で割って」のほうが違和感がない印象さえあります。

「600gのケーキを半分で割って」という話なら、300gずつに二等分する意図だと判断します。600gの半分は300gですが、「半分で割って」の言葉から、600gと300gの比を求めて欲しいとなど想像もしないでしょう。

という感じで、「60を半分で割って」の文章から、60を30で割るという解釈が可能なことなど、正直想像すらできませんでした。

「半分」ではなく「その半分」?

この問題文は「半分」の部分が不適切で、単に「半分」ではなく「その半分」とするべきだ、という主張を多く見かけました。
確かにその通りのような気もします。


とはいえ、私の場合、仮に「60をその半分で割って」という問題だったとしても気付かないような気がします。

「60をその半分で割って20を足した数字の答えは?」

仮にこの問題だったとしても、私はあまり深く考えずに50と答えそうな気がします。
まあ、「その」がついているので、「その半分」は30という意味だと気付く可能性もありますが、ある数値を半分にして、それでもとの数値を割るという場面が想像しにくく、60を半分にして20を足せば良いと思ってしまう可能性のほうが高い気がします。

こちらの問題であればさすがに正解は22でしょうから、その解答を見た私は引っかかったことに気付いて、悔しがるでしょうし、それと同時に「なるほど『その半分』だからか」と納得したことでしょう


とはいえ、単に「60を半分で割って」となっている問題は、引っ掛け問題というより問題作成者との意見の相違ですから、悔しいという気持ちはほとんどなく、むしろ、22と答えられた人が結構いること自体に驚いている感が強いです。

仮にこの問題が正誤問題で出題されたとしたら、どうしても正解の選択肢が見つからずに選択肢を一つ一つ注意深く見直して始めて違和感に気付くかもしれないというレベルでしょう。

文系と理系で答えが分かれる、という話もありましたが、22と答えられるのが文系なのか理系なのかもよくわかりませんでした。
140という答えは理系っぽい気がします。
ですが、50と22ではどちらが文系でどちらが理系と言いたいのかはわかりません。文章をきちんと読めるのが文系と言いたいのか、論理的に計算式を立てられるから理系と言いたいのか。

リンゴ60個を半分で割って、ミカン20個を足したら

「20を足す」という部分も、60を30で割る計算への違和感を強くしているように思います。

例えば、「リンゴ60個を半分で割って、ミカン20個を足したら何個になる?」という問題だったとしたら、60個を30個で割るなどという計算は絶対にしないでしょう。

60個を30個で割ったとしたらそれで出てくる値は比率であり、比率にミカンの個数を足すなど意味が分からないことになります。


まあ、この問題もあまり良くない問題で、「半分で割る」が「60個を30個ずつ半分ずつに分ける」なのか、「60個それぞれを包丁か何かで半分に割って120片にする」なのか解釈が分かれる可能性があるので、50なのか140なのか、あるいは半分に分けても60個は60個という解釈で答えは80個になるのか微妙ですが……。とはいえ、22個という解答はあり得ないでしょう。

もし、22という解答にする問題を強引に作るとするなら……


「リンゴ60個のうち半分が汚染された。汚染された個数に対する元の個数の比率を算出し、その値に基礎値20を加えた値を空気清浄度と定義する。空気清浄度を求めよ」


という感じでしょうかね。
ただ、問題文で「半分」と言っている時点で前半の比率は2にしかならないので、問題として適切かどうか非常に疑問ですが……。

もし資格・検定試験の過去問だったら

仮にこれが何かの検定試験の過去問だったとしたら、これはもう仕方ないので、こういう文章が出題されたらこう解釈する、と無理矢理覚えるしかないと思います。何年かに1回しか出題されなかった問題なら捨て問として忘れても良い気がします。
まあ、資格・検定試験の問題だったら、没問になる類の問題だと思いますけどね。

まあ、言いたいことは、こういった疑義がある問題で間違えても気に病む必要は全くない、ということで。
資格・検定試験の対策では、完璧主義になるより、もっと重要な問題を優先的に解けるようにするべきでしょう。

今日は以上となります。ここまでお読み下さりありがとうございました。

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