今日は厚生年金です。
とはいっても「任意単独被保険者」が厚生年金保険だから厚生年金ジャンルとしていますが、「特定4分の3未満短時間労働者」のほうは健康保険でも同様です。
例題
問題: 特定適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の特定4分の3未満短時間労働者は、厚生労働大臣の認可を受けて任意単独被保険者となることができるでしょうか?
えーと、任意単独被保険者って適用事業所以外で認可が必要なやつだよね。70歳未満ってのもあってるし、希望すればなれるんじゃないの?
正解は「任意単独被保険者となることができない」です。
え、なんで? 短時間労働者だけど被保険者になりたいって言ってるんだし、事業所が同意すれば良いんじゃないの?
「特定4分の3未満短時間労働者」は不可、と覚えてしまっても良い場面ですが、「特定○○」の言葉が紛らわしいのでここで復習しておきましょう。
記事の内容
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特定4分の3未満短時間労働者について内容を復習する
想定する読者
- 1週間前の自分自身(社労士受験生)
- 私と同じような社労士受験生
特定○○とは
このあたりの論点では、特定○○がつく用語がいくつも出てくるので復習してみましょう。
特定労働者とは、70歳未満のもののうち、適用除外に該当しないものです(ただし特定4分の3未満短時間労働者以外)。
つまり、健康保険や厚生年金保険に適用される人が特定なんだねー
特定適用事業所とは、事業主が同一である1または2以上の適用事業所であって、特定労働者の総数が常時500人を超えるものの各適用事業所です。
特定適用事業所に使用される者であれば、4分の3未満の短時間労働者でも、適用除外の条件に該当しない限りは被保険者になりますよね。
なお、適用除外の条件は以下のようになります(「未満」にも注意して覚えましょう)
- 1週間の所定労働時間が20時間未満であること
- 継続して1年以上使用されることが見込まれないこと
- 報酬が88000円未満であること
- 学生であること
特定適用事業所なら「20時間・1年見込み・88000円・社会人」でOKです。
つまり、除外になってなければ短時間労働者でも適用OKになるのが特定なんだねー
特定適用事業所以外の適用事業所に使用される者で
- 1週間の所定労働時間が、同一の事業所に使用される通常の労働者の4分の3未満である短時間労働者
- 1月間の所定労働日数が、同一の事業所に使用される通常の労働者の4分の3未満である短時間労働者
この1. 2.のいずれかに該当して、先ほどの適用除外事由に該当しないものを「特定4分の3未満短時間労働者」といいます。
「特定4分の3未満短時間労働者」は、適用除外事由に該当しないものと言っているにもかかわらず、被保険者になりません。
えっと、つまり、特定4分の3未満短時間労働者は適用除外じゃないから適用される……
被保険者には該当しないの。いい?
えー! 特定労働者も特定適用事業所も適用されるほうが特定だったから、「特定」=「適用」って覚えようと思ったのに……意地悪だねー!
……
まあ、イメージとしては、短時間労働者は元々は全面的に適用の対象外だったのですが、条件を満たせば対象になるようになった、ただし今のところは501人以上の大きい会社のみ。という感じで覚えておけば良いでしょう。
特定4分の3未満短時間労働者は中小企業の人なので、被保険者になると会社側にも保険料半額負担義務が発生して、中小企業にとっては負担が大きすぎるということでしょう。
特定4分の3未満短時間労働者は任意単独被保険者になれるか
任意単独被保険者になれるのは適用事業所以外の者です。
特定4分の3未満短時間労働者は、「特定適用事業所以外の適用事業所」の者ですので、任意単独被保険者になることはできません。
もっとも、特定適用事業所以外の適用事業所では2分の1同意対象者の過半数の同意による申出により適用される制度があったり、特定適用事業所以外でも徐々に被保険者の範囲を拡大する方向になってきていたりしますので、今後もずっと今の制度と変わらないとは限りません。
まとめ
「特定」がつく言葉がいくつも出てきますが、きちんと区別して理解しましょう。
- 特定労働者:70歳未満のもののうち、適用除外に該当しないもの
- 特定適用事業所:事業主が同一である1または2以上の適用事業所であって、特定労働者の総数が常時500人を超えるものの各適用事業所
- 特定4分の3未満短時間労働者:特定適用事業所以外の適用事業所に使用されるもので、時間か日数が4分の3未満で、報酬88000円未満等の適用除外事由に該当しないもの
今日は以上となります。ここまでお読み下さいましてありがとうございました。
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