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オリンピック開会式に参加した子供に労働基準法が適用されるなら【独学での合格を目指す社労士試験勉強ブログ】

社労士試験

昨日は東京オリンピックの開会式が行われました。
夜8:00~11:00の予定だったようですが、12時近くという遅い時間まで行われたようで、遅い時間までお疲れ様でした。

開会式に対するネット上へのコメントを見て特に印象に残った話は以下の3点です。

  • ドラクエなどのゲーム音楽が使われていた
  • 天皇陛下の開会宣言が好評だった
  • 夜遅い時間なのに子供が出演していた

ドラクエについては私もオールドファンですので、いずれドラクエネタを書く機会もあるでしょう。今回は保留とします。

天皇陛下については、このブログが行政書士の勉強ブログであれば日本国憲法の勉強と絡めて書いてみたいところですが、現在は社労士期間ですのでまた別の機会に。ただ、各種ニュースやコメントを見る限り、夜遅い時間帯、スピーチを無駄に長引かせることなく、きっちりご自身の職務を全うされ、素晴らしかったという感想が多いようです(自分で見たわけでは無いので伝聞形で)。

さて、社労士試験勉強ブログとしては、「夜遅い時間に子供が働くことについて、労働基準法上ではどうなっているか」という点に焦点を当てて書いてみたいと思います。

オリンピックの開会式の出演者に実際に労働の契約が存在するのかは知りませんが、ここでは追及せず、仮に労働だとしたら違反になるかどうかを考えてみたいと思います。

ちなみに労働基準法第9条では労働者の定義は以下のようになっています。

この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

参加した子供たちが、賃金の無い完全なボランティアであれば労働基準法の枠外となるので、おそらくそういうことなのかと思います。

なお、例によって法律の文言は以下から引用しています。
e-Gov 法令検索


記事の内容

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オリンピック開会式の出演者が労働者だったとして、労働基準法の年少者の内容について復習する

想定する読者

  • 労働基準法に興味ある人

労働の最低年齢に関する法律

まず、そもそも労働をして良いのは何歳からだったでしょうか。仕事の種類によって変わってきます。

(最低年齢)
第56条 使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない。
② 前項の規定にかかわらず、別表第1第1号から第5号までに掲げる事業以外の事業に係る職業で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて、満13歳以上の児童をその者の修学時間外に使用することができる。映画の製作又は演劇の事業については、満13歳に満たない児童についても、同様とする。

つまり、以下の仕事は、小学生・中学生は絶対にNGとなります。

一 物の製造、改造、加工、修理、洗浄、選別、包装、装飾、仕上げ、販売のためにする仕立て、破壊若しくは解体又は材料の変造の事業(電気、ガス又は各種動力の発生、変更若しくは伝導の事業及び水道の事業を含む。)
二 鉱業、石切り業その他土石又は鉱物採取の事業
三 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業
四 道路、鉄道、軌道、索道、船舶又は航空機による旅客又は貨物の運送の事業
五 ドック、船舶、岸壁、波止場、停車場又は倉庫における貨物の取扱いの事業

とりあえずオリンピックの開会式出演に該当するものはこの中には無さそうです。

以下の仕事は、行政官庁が許可すれば中学生でも13歳以上ならOKになります。行政官庁が許可したのであれば、許可された時点で、有害でなく軽易な労働と判断されたのだと思います。

六 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業
七 動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業
八 物品の販売、配給、保管若しくは賃貸又は理容の事業
九 金融、保険、媒介、周旋、集金、案内又は広告の事業
十 映画の製作又は映写、演劇その他興行の事業
十一 郵便、信書便又は電気通信の事業
十二 教育、研究又は調査の事業
十三 病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業
十四 旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業
十五 焼却、清掃又はと畜場の事業

このうち、映画の製作又は演劇の事業13歳未満でもOKになります。

さて、オリンピックの開会式は当てはまるでしょうか。
一番近そうなのは「興行の事業」ですね。
ということは、行政官庁が許可すれば13歳以上ならOKとなりそうです。

演劇扱いにするなら13歳未満でもOKになります。


開会式が演劇扱いになるかどうかは微妙なところ。演劇が小学生OKになっているのはストーリー上の「子役」のためでしょうから、子役である必然性がなければちょっと無理がある気はします。

深夜業に関する法律

さて、仕事の種類的にはOKだったとしても、夜に仕事をするのが問題ないかどうか。

深夜業の条文を見てみましょう。

(深夜業)
第61条 使用者は、満18才に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によつて使用する満16才以上の男性については、この限りでない。
② 厚生労働大臣は、必要であると認める場合においては、前項の時刻を、地域又は期間を限つて、午後11時及び午前6時とすることができる。
③ 交替制によつて労働させる事業については、行政官庁の許可を受けて、第1項の規定にかかわらず午後10時30分まで労働させ、又は前項の規定にかかわらず午前5時30分から労働させることができる。
④ 前3項の規定は、第33条第1項の規定によつて労働時間を延長し、若しくは休日に労働させる場合又は別表第1第6号、第7号若しくは第13号に掲げる事業若しくは電話交換の業務については、適用しない。
⑤ 第1項及び第2項の時刻は、第56条第2項の規定によつて使用する児童については、第1項の時刻は、午後8時及び午前5時とし、第2項の時刻は、午後9時及び午前6時とする。

第2項の「厚生労働大臣は、必要であると認める場合」というのは例外規定ですので、この規定が無かったとすると、以下のようになります。(追記:ただし、演劇の事業に使用される児童が演技を行う業務(いわゆる演劇子役)に従事する場合、例外規定に該当して、当分の間、午後9時から午前6時までの深夜業が禁止されるようです)

第61条(改) 使用者は、満18才に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によつて使用する満16才以上の男性については、この限りでない。
③ 交替制によつて労働させる事業については、行政官庁の許可を受けて、第1項の規定にかかわらず午後10時30分まで労働させることができる。
④ 前3項の規定は、第33条第1項の規定によつて労働時間を延長し、若しくは休日に労働させる場合又は別表第1第6号、第7号若しくは第13号に掲げる事業若しくは電話交換の業務については、適用しない。
⑤ 第1項の時刻は、第56条第2項の規定によつて使用する児童については、第1項の時刻は、午後8時及び午前5時とする。

④は除外規定になっていますが、④でいう第33条第1項の規定は、災害等が発生した時の、いわゆる「臨時の必要がある場合」です。

第33条 災害その他避けることのできない事由によつて、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において第32条から前条まで若しくは第40条の労働時間を延長し、又は第35条の休日に労働させることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならない。

災害が発生したら、子供だからと言っている場合では無く、一人でも多くの人の手を借りたい場面があるでしょう。当然の規定だとは思いますが、あくまでも例外の規定です。

また、それ以外に深夜業の適用除外になるケースは以下の通りです。

六 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業
七 動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業
十三 病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業
電話交換の業務

農林水産業・保健衛生事業・電話交換業務です。
夜中にも何か発生する可能性がある仕事ですね。
13歳以上の中学生でも許可を取れば可能な仕事でもあります。

さて、オリンピックの開会式は明らかに交替制には関係ないです。
また、「農林水産業・保健衛生事業・電話交換業務」にも当てはまりません。
災害で臨時の必要があるケースにも当てはまりません。
(「演出家が直前にキャンセルになったため、緊急で子供を使った演出が必要になった」という論理は、さすがに無理があるでしょう)

よって、これが労働であれば、中学卒業後であれば午後10時まで、中学生以下であれば午後8時までしか労働することができません。(追記:ただし、演劇子役であれば午後9時まで可能のようです)

小中学生が午後9時以降に出演していたのなら、それは「労働ではなかった」と扱われたのでしょう。

なお、交替制の規定は社労士試験でも覚えにくい部分なので注意して下さい。

私は17歳です。交替制の仕事なので深夜業したいですー!

男性だったらOKですが、あなたは男性ではないですよね。夜更かしはいけませんよ。午後10時までで仕事は終わりにして下さいね。

えー、せめて午後10時半までお願いします! 行政官庁の許可取って下さいよー!

③の「交替制によつて労働させる事業」は、個別の労働者じゃなくて事業全体が交替制を取ってる場合の話です。うちの事業は違いますよ!

私は14歳です! 簡単な仕事なので私も一緒に夜10時まで仕事しますー!

ダメです! うちは農林水産業でも保健衛生事業でも電話交換でも演劇の仕事でもないですから、中学生は夜8時までにして下さいね。学校の勉強時間と仕事の時間と合わせて1日7時間、週40時間までしかダメですからね!

まとめ

年齢ごとに労働可能な仕事と時間帯を覚えましょう。

  • 13歳未満 ⇒ 映画の製作又は演劇の事業のみ(官庁許可が必要)、AM5:00~PM8:00まで可能
  • 13歳以上~15歳年度末まで ⇒ 軽易な事業のみ(官庁許可が必要)、AM5:00~PM8:00まで可能
  • ただし、演劇子役の場合、当分の間、AM6:00~PM9:00まで可能
  • 15歳年度末後~18歳未満 ⇒ AM5:00~PM10:00まで可能(事業が交替制ならPM10:30まで・要許可)
    •  ただし、16歳以上男性 ⇒ 交替制なら深夜も可能
  • 臨時の必要・農林水産業・保健衛生・電話交換 ⇒ 例外扱いで深夜も可能

オリンピック開会式の演出に参加した子供は、推測ですが「労働ではないため労働基準法適用外」とみなされたと思われます。

今日は以上となります。ここまでお読み下さいましてありがとうございました。

免責事項 この記事の内容は個人が勉強のために調査した内容を記載したものであり、正確性を保証するものではありません。当記事の内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
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